新事業開発・新商品開発の進め方セミナー[基礎編]
新事業開発実践力養成コース

講師:池田 裕一
株式会社日本能率協会コンサルティング 技術戦略センター
シニア・コンサルタント

先行き不透明な中、企業は新事業に真剣に取り組み始めている

 「新事業開発・新商品開発の進め方セミナー[基礎編]」 「新事業開発実践力養成コース」は10年以上継続している定番研修ですが、今、受講希望者が非常に増えています。従来から、会社の成長のため、継続的に新事業開発に取り組んできた企業の受講はもちろんですが、さらに国際情勢や産業構造の激変など、先行き不透明な未来に向けて、事業を創出することの重要性が高くなったことが大きな理由だと考えています。
 これまでは頭打ちながらもなんとかなっていると思われた既存ビジネスが、今後は立ち行かないのではないかと認識されるようになってきました。またサステナブルや脱炭素、生成AI、DXといった世の中の変化にもついていかなくてはなりません。
 パラダイムが大きく変わったんですね。多くの企業が「新事業に真剣に早期に取り組まなくてはいけない」というマインドになっています。
 新事業は素晴らしいアイディアがあれば立ち上がるというものではありません。また情熱や熱意があってもそれだけでは組織は動かせません。関連部署や関係者を巻込んで事業として企画し、開発し、立ち上げていくにはそのためのスキルやノウハウが必要です。
 しかし、ノウハウを持っている会社は決して多くはないのが現状です。ほとんどの会社が自己流で新事業開発に取り組んでいるといってよいでしょう。
 本セミナーは、新事業開発に関わる社員の方を対象に、開発のためのスキルやノウハウを体系的に身につけていただくことを目的としています。

新事業立ち上げに必要な実践的スキルやノウハウを学ぶ

 セミナーでは、新事業・新商品テーマの探索から始まります。すでに新事業・新商品テーマを持って開発を進めている方も多いでしょうが、一方で経営層から「何か新しいことを探して」といった指示により、ゼロからスタートすることも少なくありません。やみくもにテーマを探すことは非効率ですし、なにより魅力的なテーマを見落としてしまうかもしれません。テーマ探索では体系的に新事業・新商品のテーマを探す知識とスキルを身につけます。
 つぎに事業の企画を学びます。企画書をどのように作り上げ、経営層にどのように説明し、承認してもらうか。企画書が通った後、どのように事業開発を進めるか、そして事業スタート後、数年後までの拡大戦略はどうするのか……など新事業のプロジェクトに携わっている社員が今やるべきこと、そして将来やっていかなくてはならないことを解説し、必要なスキルやノウハウを学んでいきます。
 アイディア発想や企画の手法を学ぶセミナーや書籍は多くありますが、新事業の市場参入~事業拡大までを対象にしたセミナーはそれほど多くないのではないでしょうか。というのは事業化段階になると、業種によって内容が異なるため公開セミナーにはなりにくく、個別の企業内研修やコンサルティングを受けることが多いと思われます。しかし、講師の経験上、業種共通の留意点や課題解決の方法は存在するので、どんな要件が求められるかを本セミナーで体験していただきたいと思います。
 受講者の多くは新事業の立ち上げに関わっている人で、中には発足した新事業プロジェクトにアサインされたばかりの方もいらっしゃいます。経験やスキルがない中、手探りで新事業の立ち上げに取り組んでいらっしゃいます。
 そのためか研修では新事業開発のための知識を得たいという方は少なく、現在直面している課題解決に使えるスキルやノウハウを身につけたいという方がほとんどです。
 「新事業がうまく進まないのですが、何をすべきですか」といったダイレクトな質問を受けることもあり、スキルやノウハウを持ち帰りたいという切実さをひしひしと感じます。
 私はコンサルタントとして数十年間、さまざまな企業の新事業のお手伝いをしてきました。その経験をもとに受講生と真剣勝負のやり取りをしています。
 新事業がうまく進まない原因の一つには、イノベーション・ブロックがあります。本セミナーの受講者は、既存事業が行われている組織の中で新事業を生み出す立場の人です。スタートアップ企業であれば100%新事業なので社内の障壁は少ないですが、企業内新事業では、既存事業がある中で新事業を立ち上げるため、さまざまな課題が生まれます。社内に新しい取り組みを阻む要素が存在するんですね。たとえば他部門からの協力が得られず、新事業の開発が思うように進まないといったことが起こります。既存ビジネスで何十年もの実績があるような会社ではこうしたことが起こりがちです。こういう場合、障壁と真っ向からぶつからず、上手く対処しながら乗り越えていくことが大切で、セミナーでもその方法について取り上げています。
 このように非常に実践的で濃厚な内容を学ぶセミナーです。

新事業立ち上げに携わる人たちの交流の場に

 グループ演習では新事業のケーススタディや課題を一緒に解いていくといったことを行いますが、受講者同士、非常に深い議論になり、熱のこもったやりとりが行われます。その中で、受講者同士にある種の仲間意識が芽生えてくるのが、本セミナーの大きな特長です。
 新事業に携わるのは限られた少数の社員なので、社内に気楽に相談できる人はいません。しかしセミナーに参加しているのは他業種の同じ立場、同じ境遇の方たちばかり。それぞれの新事業の内容はもちろん秘密ですが、新事業の進め方については似たような課題にぶつかっているので、それぞれの話がとても参考になるんですね。また、悩みを共有できたことで少し安心もされます。
 また毎日難しい演習やケーススタディに一緒に取り組むことでも結束が強まります。最終日になると、まるでプロジェクトチームで1カ月くらいやってきた仲間同士のような関係ができています。
 研修後も、お付き合いが続いている方たちもいらっしゃるのではないでしょうか。相談しあったり、あるいは新規ビジネスに発展していくこともあるかもしれません。新事業のための人脈づくりにもなっているのではないかと思います。
 さまざまな会社の新事業の立ち上げに取り組む方々が一緒に学び、率直に意見交換や情報共有ができる機会は稀有です。もしかするとJMAのセミナーでしかありえないのではないかもしれません。

新事業開発に携わる若手人材の育成が大事

 最初に触れたように、パラダイムが大きく変わる中、多くの企業が新事業に真剣に取り組むようになっています。以前なら5年、10年といったゆったりしたスパンで捉えられていた新事業の立ち上げも、今は3年以内、5年以内に立ち上げなくてはいけないというように変わってきました。
 経営陣、人事は早急に新事業に携わる人材の育成をしていかなくてはならないでしょう。
 事業開発はある意味人材開発です。いくら優れた技術やアイディアがあっても、それを形にしていく人たちがいなくては新事業は立ち上がりません。若手社員や中堅社員に新事業開発のスキルやノウハウを学んでもらい、できることなら早くから新事業立ち上げの経験をしてもらうことが重要です。将来の新事業開発・人材育成にむけて本セミナーを活用していただけたらと思います。
 イノベーションを起こす人材の評価についても考えていく必要があります。その点では人事部門の方にもぜひ新事業開発のスキルやノウハウを学んでいただきたいですね。