新事業開発実践力養成コース

講師:池田 裕一
株式会社日本能率協会コンサルティング 技術戦略センター
シニア・コンサルタント

パラダイムが変わり、企業は新事業に真剣に取り組み始めている

 「新事業開発実践力養成コース」はすでに10年以上担当している研修ですが、実はコロナ禍を経て、今、受講希望者が非常に増えています。コロナ流行当初にいったんストップした新事業が再び動きだしたこともありますが、なによりコロナ禍後、既存ビジネスの限界がより鮮明になったことが大きな理由だと考えています。
 これまでは頭打ちながらもなんとかなっていると思われた既存ビジネスが、今後は立ち行かないのではないかと認識されるようになってきました。またサスティナブルやDXといった世の中の変化にもついていかなくてはなりません。
 パラダイムが大きく変わったんですね。多くの企業が「新事業に真剣に早期に取り組まなくてはいけない」というマインドになっています。
 新事業は素晴らしいアイディアがあれば立ち上がるというものではありません。また情熱や熱意があってもそれだけでは組織は動かせません。社内で事業として企画し、開発し、立ち上げていくにはそのためのスキルやノウハウが必要です。
 しかし、ノウハウを持っている会社は決して多くはないのが現状です。ほとんどの会社が自己流で新事業に取り組んでいるといってよいでしょう。
 本セミナーは、新事業開発に関わる社員の方を対象に、新事業開発のためのスキルやノウハウを体系的に身につけていただくことを目的としています。

新事業立ち上げに必要な実践的スキルやノウハウを学ぶ3日間

 セミナーは3日間で、1日目に「市場調査とビジネスモデル」、2日目に「ビジネスプランと開発推進」、3日目に「新事業のスタートアップ」と実際の新事業開発のプロセスに沿った形で構成しています。
 事業企画をどのように作り上げ、経営層にどのように説明し、承認してもらうか。企画書が通った後、どのように商品開発を進めるか、そして事業スタート後、数年後までの拡大戦略はどうするのか……など新事業のプロジェクトに携わっている社員が今やるべきこと、そして将来やっていかなくてはならないことを解説し、必要なスキルやノウハウを学んでいきます。
 受講者の多くは新事業の立ち上げに関わっている人で、中には発足した新事業プロジェクトにアサインしたばかりの方もいらっしゃいます。経験やスキルがない中、手探りで新事業の立ち上げに取り組んでいらっしゃいます。
 そのためか研修では新事業開発のための知識を得たいという方は少なく、現在直面している課題解決に使えるスキルや知識を身につけたいという方がほとんどです。
「新事業がうまく進まないのですが、何をすべきですか」といったダイレクトな質問を受けることもあり、スキルやノウハウを持ち帰りたいという切実さをひしひしと感じます。
 私はコンサルタントとして数十年間、さまざまな企業の新事業のお手伝いをしてきました。その経験をもとに受講生と真剣勝負のやり取りをしています。
 新事業がうまく進まない原因の一つには、イノベーション・ブロックがあります。社内に新しい取り組みを阻む要素が存在するんですね。たとえば他部門からの協力が得られず、新事業の開発が思うように進まないといったことが起こります。既存ビジネスで何十年もの実績があるような会社ではこうしたことが起こりがちです。こういう場合、障壁と真っ向からぶつからず、いかに乗り越えていくかが大切で、セミナーでもその方法について取り上げています。
 このように非常に実践的で濃厚な内容を学ぶ3日間のセミナーです。

新事業立ち上げに携わる人たちの交流の場に

 グループ演習では新事業のケーススタディーや課題を一緒に解いていくといったことを行いますが、受講者同士、非常に深い議論になり、熱のこもったやりとりが行われます。その中で、受講者同士にある種の仲間意識が芽生えてくるのが、本セミナーの大きな特長です。
 新事業に携わるのは限られた少数の社員なので、社内に気楽に相談できる人はいません。しかしセミナーに参加しているのは他業種の同じ立場、同じ境遇の方たちばかり。それぞれの新事業の内容はもちろん秘密ですが、新事業の進め方については似たような課題にぶつかっているので、それぞれの話がとても参考になるんですね。また、悩みを共有できたことで少し安心もされます。
 また毎日難しい演習やケーススタディに一緒に取り組むことでも結束が強まります。最終日の3日目になると、まるでプロジェクトチームで1カ月くらいやってきた仲間同士のような関係ができています。
 研修後も、お付き合いが続いている方たちもいらっしゃるのではないでしょうか。相談しあったり、あるいは新規ビジネスに発展していくこともあるかもしれません。新事業のための人脈づくりにもなっているのではないかと思います。
 さまざまな会社の新事業の立ち上げに取り組む方々が一緒に学び、率直に意見交換や情報共有ができる機会は稀有です。もしかするとJMAのセミナーでしかありえないのではないかもしれません。

新事業開発に携わる若手人材の育成が大事

 最初に触れたように、パラダイムが大きく変わる中、多くの企業が新事業に真剣に取り組むようになっています。以前なら5年、10年といったゆったりしたスパンで捉えられていた新事業の立ち上げも、今は5年以内に立ち上げなくてはいけないというように変わってきました。
 経営陣、人事は早急に新事業に携わる人材の育成をしていかなくてはならないでしょう。
 事業開発はある意味人材開発です。いくら優れた技術やアイディアがあっても、それを形にしていく人たちがいなくては新事業は立ち上がりません。若手社員や中堅社員に新事業開発のスキルやノウハウを学んでもらい、できることなら早くから新事業立ち上げの経験をしてもらうことが重要です。将来の新事業開発・人材育成にむけて本セミナーを活用していただけたらと思います。
 イノベーションを起こす人材の評価についても考えていく必要があります。その点では人事部門の方にもぜひ新事業開発のスキルやノウハウを学んでいただきたいですね。