部長のための人材育成力・組織連携力強化コース
部長のための変革マネジメント力強化コース
コンソリューション 代表コンサルタント
部長の役割は未来に向けて会社や組織を主体的に変えていく存在
「部長のための変革マネジメント力強化コース(以下変革マネジメント力)」「部長のための人材育成力・組織連携力強化コース(以下人材育成力・組織連携力)」の2コースを2018年から担当しています。
部長の役割は未来に向けて会社や組織を変えていく中心的な存在です。現在の仕組みに安穏とせず、見直しと修正をはかり、チャレンジ精神あふれる部門に変えていくこと、そして未来を支える人材を育成することが求められています。
しかし、経営陣側は部長の働きに対して全体に物足りなさを感じている傾向があります。「目の前の仕事しかしないで、小さくまとまっている」といった評価が少なくありません。
部長は課長時代に実績を上げてきた方々です。実力があって自信も持つ非常に優れた人材のはずなのに、なぜ「物足りない」と評価を受けるのでしょうか?
大きな要因の一つが部長のプレイング要素が強まっていることです。昔の部長と違い、部内の人の数も多くはないため自らさまざまな実務に関わらなくてはならず、その結果本来部長がやるべき仕事から離れてしまう傾向があります。部長として取り組むべきことの重要度や優先順位は理解していても、目の前の業務に力と時間を費やしてしまいがちです。
また部長が「上がりのポスト」的な位置づけにあることも、変革への取り組みに向かいにくくしているかもしれません。あと数年部長職を守ればキャリア的には完成という意識になりがちなため、変革への行動を起こす気持ちになりにくい面があります。
「変革マネジメント力」「人材育成力・組織連携力」の2コースは、部長に本来の責任と役割を改めて認識していただくコースになっています。会社と部門の事業や業務にいかに変革を起こしていくのか、未来を支える人材の育成や他部署との連携をいかに進めていくかを考えていただきます。部長という仕事の意味を改めて考え、ご自身の本来の実力を発揮していただくためのセミナーといってもよいでしょう。
どちらも2日間のセミナーですが、座学で知識を吸収するだけではなく、演習の時間を多く設け、受講者同士でのケース検討や意見交換・討議・まとめ・発表などを通じて、学びを深めていただきます。
変化を起こすための考え方と取り組み方を学ぶ
「変革マネジメント力」のセミナーでは、未来の変化を引き寄せるための考え方と取り組み方について、ステップを含めて自分の組織での展開についても検討いただきます。
変革という言葉から破壊的な変化を想像するかもしれませんが、そういうことだけではありません。5年後、10年後に目指すべき会社像、組織像を打ち出していくのが変革です。改善活動なども含めた変化です。そして、数年後に向けて組織を変えていく先頭に立つのが部長です。まずはその自覚を持っていただいた上で自分なりのビジョンを描いていきます。
既にご自身のビジョンをお持ちの部長が多いのですが、前述のようにみなさん求められる業績面の成果を出すために日々の業務に追われがちです。変革への取り組みができない要因は「自身の時間の使い方」、「目標設定」・「方針の打ち出し」などが挙げられます。
自分が本当に変革を進めていかなくてはいけないのだという強い意識を持ち、改めて優先順位づけを変えたり、同時に計画を立てていく。そして部下たちに説明していく。これらを始めることがこのセミナーの主目的となります。
人材育成と他部署との連携の進め方を学ぶ
「人材育成力・組織連携力」では人材育成と大きな目標実現のための他部署・外部との連繋のすすめ方について気づきと学びを深めていただきます。
人材育成では課長を育てることが懸案となっています。部長のいうことを聞き、真面目に取り組むタイプの課長が多い一方、自分の考えで動く課長は少なくなってきました。「時々勝手に突っ走るので、止めないといけない」というような課長は稀少な存在になっています。実はこれは課長自身が部下に対して抱えている問題でもあります。自ら考えて動く課長や若手社員をいかに育てていくか。ケーススタディもまじえながら学んでいきます。
人材育成では「レジリエンス力」が重視されています。おとなしい人、打たれ弱い人が増えており、立ち直る力や打たれ強さを養っていかねばなりません。まずは部長自身がレジリエンス力を養い、そして部下や組織のレジリエンス力の構築を考えていただきます。
さらに対外的な関係性の構築も必要です。本来求められる結果がでない大きな原因には対外的関係性、連携が悪いケースが多いのです。いかに周囲を巻き込んでいくか、今一度学んでいきます。
2つのセミナーは実はどちらも組織を変革する力を学ぶセミナーです。「変革マネジメント力」は当然ですが、「人材育成力・組織連携力」も人を育成し、人を変えていくことによって、組織を変えていくからです。
2日間のセミナーで生まれる同窓生同士のような率直な交流
どちらのセミナーも、そこで学びとる内容に加えて、他業種の部長たちと交流することに大きな価値があると感じています。刺激を受けるという意味で、社内での実施では得られない価値があります。
セミナー開始時は、「会社代表」的に部長を演じているような方も多いのですが、まずは、自己紹介をして、自分の特徴をアピールしていただきます。「こんな仕事をしています」といった紹介だけではなく、こんなことで悩んでいるといったことも話していただくと「強がるばかりでなく弱みを見せることも大事だ」と気づく方もいます。
ケーススタディで「似たようなことがあった」といった話を聞いて、お互い様みたいな、安心感のようなものを持てるところがあるようです。
2日目の朝になると緊張がほぐれ次第に本音で話ができるようになっていきます。
「新しいことに取り組んでいたら上から怒られて」といった話が自然と出て、悩みを分かちあうことでできるようになる。過去の受講者の方々からは「悩みを分かち合うだけではなく、解決策への気づきを得られました」といった感想も多く寄せられました。
社内の部長同士はライバル関係でもありますから、弱みはなかなか見せられません。しかしセミナーでは利害関係がない他社の部長と率直に悩みを打明けあうことができる。
セミナー終了時には、実に和気あいあいとした雰囲気で、同じ立場にある戦友同士というか、学校時代の友達同士のように互いに刺激を受け、そして与える関係ができていきます。こうした交流が社外的ネットワークづくりにも多いに役立つのではないでしょうか。
2つのセミナーがきっかけの一つとなって、部長が本来の実力を思う存分発揮し、業務や人の変革につながっていくことを願っています。